30秒立ち上がりテスト(CS-30)とは?やり方・基準値・5回立ち上がりテストとの違いを解説
- 8 時間前
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はじめに
高齢者の転倒リスクや下肢筋力、身体機能を評価する際、高価な測定機器を使用できない現場もあります。
そのような場面で活用しやすいのが、30秒椅子立ち上がりテスト(30-Second Chair Stand Test:CS-30)です。
このテストは椅子から30秒間に何回立ち上がれるかを測定することで、日常生活に必要な下肢筋力や立ち上がり能力を簡便に評価できます。
特別な機器を必要とせず、短時間で実施できるため、リハビリテーションや運動指導、介護予防など幅広い現場で活用されています。
本記事では、30秒椅子立ち上がりテストの特徴や実施方法、年代別の評価基準、測定結果を現場で活用する際のポイントをわかりやすく解説します。
30秒椅子立ち上がりテストで何がわかるのか?
30秒椅子立ち上がりテストは、椅子から繰り返し立ち上がる動作を通して、下肢の機能的な筋力や動的バランス能力を評価するテストです。
主に大腿四頭筋、大殿筋、ハムストリングスなど、立ち上がりや歩行に必要な筋群の働きを確認できます。
また、筋力だけでなく、高齢者の転倒リスクやサルコペニアを把握するためのスクリーニングとしても活用されています[1][2]。
30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)のやり方|実施手順[3]

背もたれのある椅子を用意し、動かないよう壁際に設置します。
対象者は椅子に座り、両足を床につけ、両腕を胸の前で交差します。
合図と同時に、腕を使わず「完全に立つ・座る」動作をできるだけ速く繰り返します。
測定者は対象者の近くに立ち、安全を確保しながら30秒間測定します。
30秒間に完全に立ち上がった回数を記録します。終了時に立ち上がり動作の半分を超えていれば、1回として数えます。
テスト実施のルール

足の幅は再現性を高めるために肩幅にします。
30秒間に、椅子から完全に立ち上がった回数を数えます。
立ち上がる際は、上体と膝が完全に伸びていない場合、回数には含めません。
ただし、30秒の終了時に、立ち上がり動作の半分を超えていれば、最後の1回に含めます。
途中で休んでも、タイマーは止めません。動作を再開した場合は、その後の回数も数えます。
手を使わずに立ち上がれない場合、公式スコアは「0」とします。経過を確認する目的で手の使用を許可した場合は、その条件を記録しておきます。

※警告メッセージが表示される場合は「無視する」を選択してください。
結果と解釈:転倒リスクとサルコペニアの目安
30秒椅子立ち上がりテストにおける転倒リスクの基準値
年齢 | 男性 | 女性 |
60〜64歳 | 14回未満 | 12回未満 |
65〜69歳 | 12回未満 | 11回未満 |
70〜74歳 | 12回未満 | 10回未満 |
75〜79歳 | 11回未満 | 10回未満 |
80〜84歳 | 10回未満 | 9回未満 |
85〜89歳 | 8回未満 | 7回未満 |
90歳以上 | 7回未満 | 4回未満 |
30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)の年代・性別ごとの評価基準
男性
年齢 | 劣っている | やや劣っている | ふつう | やや優れている | 優れている |
20〜29歳 | 22回以下 | 23〜27回 | 28〜32回 | 33〜37回 | 38回以上 |
30〜39歳 | 20回以下 | 21〜25回 | 26〜30回 | 31〜36回 | 37回以上 |
40〜49歳 | 19回以下 | 20〜24回 | 25〜29回 | 30〜35回 | 36回以上 |
50〜59歳 | 17回以下 | 18〜21回 | 22〜27回 | 28〜31回 | 32回以上 |
60〜64歳 | 13回以下 | 14〜19回 | 20〜25回 | 26〜31回 | 32回以上 |
65〜69歳 | 13回以下 | 14〜17回 | 18〜21回 | 22〜25回 | 26回以上 |
70〜74歳 | 11回以下 | 12〜15回 | 16〜20回 | 21〜24回 | 25回以上 |
75〜79歳 | 10回以下 | 11〜14回 | 15〜17回 | 18〜21回 | 22回以上 |
80歳以上 | 9回以下 | 10〜13回 | 14〜16回 | 17〜19回 | 20回以上 |
女性
年齢 | 劣っている | やや劣っている | ふつう | やや優れている | 優れている |
20〜29歳 | 17回以下 | 18〜22回 | 23〜28回 | 29〜34回 | 35回以上 |
30〜39歳 | 17回以下 | 18〜23回 | 24〜28回 | 29〜33回 | 34回以上 |
40〜49歳 | 16回以下 | 17〜22回 | 23〜27回 | 28〜33回 | 34回以上 |
50〜59歳 | 15回以下 | 16〜19回 | 20〜24回 | 25〜29回 | 30回以上 |
60〜64歳 | 13回以下 | 14〜18回 | 19〜23回 | 24〜28回 | 29回以上 |
65〜69歳 | 11回以下 | 12〜16回 | 17〜21回 | 22〜26回 | 27回以上 |
70〜74歳 | 9回以下 | 10〜14回 | 15〜19回 | 20〜23回 | 24回以上 |
75〜79歳 | 8回以下 | 9〜12回 | 13〜17回 | 18〜21回 | 22回以上 |
80歳以上 | 8回以下 | 9〜12回 | 13〜16回 | 17〜19回 | 20回以上 |
5回椅子立ち上がりテスト(5STS)との違い
5回立ち上がりテスト(5STS)は、椅子から5回立ち上がるまでの時間を測定するため、5回の動作を完了できない対象者では測定結果を得られない場合があります。
一方、30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)は、30秒間に立ち上がれた回数を記録します。
そのため、5回立ち上がり動作が完了できない対象者でも、1回、2回と回数で正確なスコアを算出することができるため、体力が低下した高齢者や麻痺のある対象者の小さな変化を追いやすい点が特徴です。
まとめ
30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)は、30秒間に椅子から立ち上がれた回数を測定し、高齢者の下肢筋力や身体機能を簡便に評価する方法です。
特別な機器を必要とせず、サルコペニアや転倒リスクのスクリーニングにも活用できます。
また、5回の動作完了を必要とする5回立ち上がりテストと異なり、立ち上がれた回数が少ない対象者でも評価できる点が特徴です。
ただし、基準値は年齢や性別、測定方法によって異なるため、ほかの身体機能評価と組み合わせて総合的に判断することが重要です。
参考文献
Jones, C. J., Rikli, R. E., & Beam, W. C. (1999). A 30-s chair-stand test as a measure of lower body strength in community-residing older adults. Research Quarterly for Exercise and Sport, 70(2), 113–119.
Yanagawa, N., Ozaki, H., Natsume, T., Loenneke, J. P., & Abe, T. (2021). The 30-s chair stand test can be a useful tool for screening sarcopenia in elderly Japanese participants. Archives of Gerontology and Geriatrics, 92, 104185.
Centers for Disease Control and Prevention (CDC). (n.d.). 30-Second Chair Stand Test [Video]. YouTube.
Centers for Disease Control and Prevention (CDC). (2023). STEADI Tool Kit for Health Care Providers: Standardized Assessment of Chair Stand Test. CDC Official Resource.
中谷敏昭,灘本雅一,三村寛一,伊藤稔:30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30テスト)成績の加齢変化と標準値の作成.臨床スポーツ医学,20(3):349–355,2003.



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