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修正トーマステストで何がわかるのか?股関節屈筋群・大腿直筋・TFLの評価と解釈を整理する

  • 3 日前
  • 読了時間: 4分

はじめに


修正トーマステスト(Modified Thomas Test)は、股関節屈筋群の柔軟性や短縮の有無を評価するために用いられる代表的な評価法です。


この評価は腸腰筋や大腿直筋、大腿筋膜張筋などの状態を把握できるため、股関節や腰部の機能評価、運動プログラムの立案に活用されています[1]。


本記事では、修正トーマステストの実施方法と結果の解釈、評価時に押さえておきたいポイントについて解説します。


修正トーマステスト(Modified Thomas Test)目的



  

修正トーマステスト|評価手順(実施方法)


修正トーマステストの説明図。治療台で仰向けの女性の脚を、立つ男性が支えながら股関節可動域を確認している。右に実施手順の箇条書き、下にPhysioplus。

  1. 検者を治療台の端に座らせます。

  2. 非テスト側の膝を両手で抱えてもらい、股関節屈曲位を保持します。

  3. 検査する側の下肢の股関節を治療台にゆっくり下ろします。

  4. この際に股関節伸展角度や股関節外転、膝関節屈曲角度などを観察します。  



結果の解釈と評価基準


修正トーマステストは、1つのテスト肢位から複数の組織の柔軟性や短縮の有無を評価できることから、臨床で広く活用されています。


単に股関節伸展可動域を確認するだけでなく、どの組織が可動域制限に関与しているのかを推測するための重要な評価法です。


正常所見では、評価側の股関節が0°まで伸展し、膝関節が約90°屈曲位を保ちます。また、股関節は内転・外転や内旋・外旋を伴わず、中間位に保持されていることが望ましいとされています。


股関節屈曲位と膝伸展位を示す理学療法の図。ベッド上の人物の脚位置を正常と比較し、下部にPhysioplus表記。

「テストの結果と解釈」とある、椅子に座った脚の正常姿勢と股関節外転位を比較した解説図。下部に「正常」「股関節外転位」表示。

これらのアライメントが崩れている場合は、腸腰筋や大腿直筋、大腿筋膜張筋などの柔軟性低下が関与している可能性があります。

股関節屈曲位

評価側の大腿が治療台に接地せず股関節が屈曲位となる場合は、腸腰筋を中心とした股関節屈筋群の短縮や柔軟性低下が疑われます。


股関節が十分に伸展できないため、大腿が浮き上がる所見として現れます。


また、腰椎前弯が増強し腰部が治療台から浮く場合も、股関節屈筋群のタイトネスに対する代償として生じることがあります。

膝関節伸展位

膝関節が約90°まで屈曲せず伸展方向へ引っ張られる場合は、大腿直筋の短縮が疑われます。


大腿直筋は股関節と膝関節をまたぐ二関節筋であるため、股関節伸展位では膝関節屈曲が制限されやすくなります。

股関節外転位

股関節が外転位となる場合は、大腿筋膜張筋(TFL)の短縮・緊張亢進が考えられます。


これらの組織の張力によって大腿が外側へ引かれ、股関節中間位を維持できなくなります。


修正トーマステスト実施上の注意点


修正トーマステストは簡便に実施できる一方で、骨盤アライメントの影響を受けやすい評価法です。


実際に、骨盤運動を十分にコントロールしない場合、股関節伸展角度を正確に反映できず、評価の妥当性が低下することが報告されています[2]


そのため、非テスト側股関節の十分な屈曲や骨盤位置の管理を行いながら評価することが重要です。 


修正トーマステストを正確に解釈するためには、骨盤の位置を適切にコントロールし、テスト側下肢を十分に脱力させた状態で評価することが重要です。


また、左右差を比較することで、単なる柔軟性の低下だけでなく、症状や動作に影響している機能障害をより的確に把握しやすくなります。


まとめ


修正トーマステストは、股関節屈筋群、大腿直筋、大腿筋膜張筋・腸脛靭帯などの柔軟性を効率的に評価できる有用な検査法です。


しかし、評価結果を正しく解釈するためには、骨盤の位置や下肢の緊張などの代償要素を適切にコントロールする必要があります。


単に「脚が浮いているかどうか」を確認するだけでなく、どの組織が制限に関与しているのかを推測し、左右差や患者の主観的な伸張感も含めて総合的に判断することが重要です。


評価の精度を高めることで、その後のストレッチやエクササイズ処方、動作改善により効果的につなげることができます。  


参考文献


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