3つの運動面(矢状面・前額面・水平面)の基本知識|運動指導に活かすポイントをわかりやすく解説
- 7月10日
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はじめに
教科書や文献では、「矢状面」「前額面」「水平面」といった専門用語が頻繁に用いられます。
なんとなく理解しているつもりでも、そのまま読み進めてしまうと、動作やエクササイズをイメージしにくく、内容を十分に理解できないことがあります。
運動面は、身体の動きを整理し、評価やエクササイズを考えるための基本となる考え方です。
3つの運動面を理解することで、文献の内容が理解しやすくなるだけでなく、評価や運動指導、エクササイズを選択する理由も整理しやすくなります。
本記事では、動きの3面(矢状面・前額面・水平面)の特徴や代表的な動作、エクササイズをわかりやすく解説します。運動面の基礎を整理し、日々の評価や運動指導に役立てていただければ幸いです。
3つの運動面(Planes of Motion)

人の身体の動きは、矢状面・前額面・水平面の3つの運動面を基準に分類されます[1][2]。
運動面を理解することで、関節運動や動作を整理しやすくなり、評価やエクササイズの目的をより明確に考えられるようになります。
矢状面 (Sagittal Plane) | 身体を左右に分ける面 | 屈曲/伸展 背屈/底屈 前屈/後屈 |
前額面 (Frontal / Coronal Plane) | 身体を前後に分ける面 | 外転/内転 側屈 尺側/橈側 外返し/内がえし |
水平面 (Transverse Plane) | 身体を上下に分ける面 | 内旋/外旋 体幹回旋 |
矢状面(Sagittal Plane)
矢状面(Sagittal Plane)とは、身体を左右に分ける面を指します[3]。

この面では、屈曲と伸展が主な関節運動となります。歩行や階段昇降、椅子からの立ち上がりなど、日常生活で行われる多くの動作は矢状面を中心に行われています。
また、トレーニングでは、デッドリフトやスクワット、フォワードランジ、バイセプスカール、レッグエクステンションなどが代表的なエクササイズ種目になります。
矢状面の動きは、筋力トレーニングや日常動作の基本となる運動であり、最も頻繁に用いられる運動面といえます。
前額面(Frontal Plane)
前額面(Frontal Plane)とは、身体を前後に分ける面を指します[3]。

この面では、外転と内転が主な関節運動となり、体幹の側屈や足部の回外・回内なども前額面で行われます。左右方向への動きをコントロールするうえで重要な運動面です。
トレーニングでは、ショルダープレスや、ラテラルランジ、サイドベントなどが代表的なエクササイズ種目として挙げられます。
また、歩行やランニング、片脚立位では、骨盤や股関節が左右へ過度に傾かないようにコントロールする必要があり、前額面での安定性が重要となります。
水平面(Transverse Plane)
水平面(Transverse Plane)とは、身体を上下に分ける面を指します[3]。

この面では、内旋・外旋や体幹の回旋、前腕の回内・回外など、回転を伴う運動が主に行われます。スポーツ動作では特に重要な運動面であり、効率的な力の伝達やパフォーマンス向上に大きく関わります。
トレーニングでは、胸椎の回旋を促すソラシックローテーションやクランチツイスト、ケーブルマシンでのローテーションなどが代表的なエクササイズ種目となります。
また、ゴルフや野球、テニスなどでは、体幹や股関節の回旋運動がパフォーマンスを左右するため、水平面での可動性と安定性の両方が重要になります。
ほとんどの動作は3つの運動面を組み合わせて行われる
実際の身体運動は、1つの運動面だけで行われることはほとんどありません。
例えば、歩行は前後へ進むため矢状面の動きとして捉えられがちですが、実際には左右への重心移動や骨盤・胸郭の回旋など、前額面や水平面の動きも組み合わさった複合的な運動です。
同様に、スクワットも矢状面の運動が主体ですが、膝が内側へ入らないように前額面で制御し、股関節や足部では水平面での回旋をコントロールしています。
さらに、ゴルフスイングや野球の投球、テニスのストロークなどのスポーツ動作では、3つの運動面を組み合わせた多面的(Multiplanar)な動きが求められます。
このように、実際の動作は単一の運動面ではなく、複数の運動面が協調して成り立っています。
そのため、リハビリやトレーニングで指導は、まず日常生活で最も多く用いられる矢状面の基本的な動きを獲得・改善し、そのうえで前額面や水平面を含めた多面的な動きへ発展させていくことが重要です。
まとめ
運動面は、身体の動きを理解し、評価や運動指導を行うための基本となる考え方です。
矢状面・前額面・水平面それぞれの特徴を理解することで、文献や教科書の内容をイメージしやすくなるだけでなく、「なぜこのエクササイズを選ぶのか」という理由も整理しやすくなります。
また、実際の身体運動は1つの運動面だけで成り立つことはほとんどなく、日常生活やスポーツでは複数の運動面が組み合わさって行われるため、動作を多面的に捉える視点を持つことは、より正確な動作分析や評価につながります。
運動面は単なる解剖学の知識ではなく、リハビリや運動指導における「共通言語」です。
3つの運動面を理解し、日々の評価や運動指導にぜひ活用してみてください。
参考文献
Neumann, D. A. (2012). 筋骨格系のキネシオロジー カラー版(嶋田智明・有馬慶美 訳,第2版). 医歯薬出版.
Thompson, C. W., & Floyd, R. T. (2002). 身体運動の機能解剖 改訂版(中村千秋・竹内真希 訳). 医道の日本社.





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