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広背筋とは?起始・停止・作用から柔軟性低下による代償動作、トレーニングまでわかりやすく解説

  • 16 時間前
  • 読了時間: 4分

はじめに


広背筋(Latissimus dorsi)は、背中から腰部にかけて広がる、人体のなかでも特に大きな筋肉です。胸腰部を広く覆い、上腕骨まで付着しています。


肩関節の伸展や内転、内旋といった上肢の運動に加え、体幹や骨盤の安定、上肢と下肢の連動にも関わるなど、多様な役割を担っています。


本記事では、広背筋の機能解剖を整理し、その特徴的な構造がどのような機能につながっているのかを、わかりやすく解説します。



広背筋の構造と機能


広背筋の特徴の一つは、起始部が広範囲に及ぶことです。第7胸椎〜第12胸椎の棘突起、腰背筋膜(胸腰筋膜)、腸骨稜、下位肋骨などから始まる筋線維が上外側へ集まり、上腕骨の小結節稜に付着します[1]。


広背筋の機能解剖を示したスライド。後面図と前面図で筋の位置を示し、起始は腸骨稜後面、仙骨後面、第7胸椎〜第5腰椎の棘突起、第10〜12肋骨、停止は上腕骨小結節稜。作用は肩関節の伸展・内転・内旋、肩甲骨の下制。

起始

腸骨稜後面、仙骨後面、第7胸椎から第5腰椎にかけての棘突起、および第10・11・12肋骨。

停止

上腕骨の小結節稜


広背筋は腰背筋膜(胸腰筋膜)から起始しており、このつながりを介して上肢の運動だけでなく、体幹や腰部の安定にも関与すると考えられています[1]。



広背筋の主な作用(機能)


広背筋は、肩関節の伸展・内転・内旋に関わる強力な筋肉であり、特に腕を後方へ引く動きで重要な役割を果たします[1]。



上腕骨に付着する停止腱が起始部の方向へ引かれることで、肩関節の伸展・内転・内旋が生じます。(上動画参照)


そのため、懸垂やラットプルダウンのように、頭上に挙げた腕を体幹へ引き寄せる動作では、主働筋として機能します。


肩関節伸展

上腕骨を屈曲している状態から後方へ向かう動き。

肩関節内転

上腕骨を体幹または正中線に向かって引き寄せる動き。

肩関節内旋

上腕骨をその長軸を中心に内側へ回す動き。

肩甲骨下制

上腕骨・肩甲帯を下方へ引き下げる動き。



広背筋の柔軟性低下と上肢挙上時の代償動作


仰向けで腕を頭上へ挙げる動作を示した図。広背筋の柔軟性が不足すると、肩関節屈曲を補うために骨盤が前傾し、腰椎前弯が増強する代償動作が生じる可能性を示している。

リハビリや運動指導では、広背筋の短縮や柔軟性低下によって生じる代償動作にも注意が必要です。


広背筋の柔軟性が低下している場合、上肢を頭上へ挙げる際に肩関節の動きが制限されます。


その結果、代償動作として腰椎の伸展や骨盤の前傾が生じることがあります。



広背筋を強化するトレーニング


  1. Tall-Kneeling Cable Pulldown|ケーブルプルダウン



頭上にあるケーブル(マシンで行う場合はバー)を胸の方向へ引き下ろすエクササイズです。


肩関節の内転・伸展によって、広背筋を効果的に強化できます。腰を大きく反らさず、肘を体幹へ引き寄せるように動かします。



  1. One-Arm Dumbbell Row|ワンハンドダンベルロウ



片手と片膝をベンチにつき、反対の手でダンベルを体幹へ引き寄せるエクササイズです。


肩関節を伸展させることで、広背筋を中心に背部の筋群を強化します。


腰を反らしたり体幹をひねったりせず、肘を腰の方向へ引くように行います。



  1. Resistance Band-Assisted Pull-Up|プルアップ(レジスタンスバンドの補助あり)




セーフティバーにレジスタンスバンドを取り付け、足や膝をかけて身体を引き上げます。


レジスタンスバンドの補助によって負荷を軽減できるため、自重でのプルアップが難しい場合や正しいフォームで広背筋を効率よく鍛えたい場合に適しています。


肩をすくめず、肘を脇へ引きつけるように行うことがポイントです。



広背筋の柔軟性を向上させるストレッチング


  1. Lat Stretch on Power Plate|広背筋のストレッチ



片手で安定した支柱やバー(動画ではパワープレートのハンドル)をつかみ、身体を斜め後方へ引きます。


脇の下から背中の外側に伸張感が得られる位置で保持しましょう。


腰を反らしたり背中を過度に丸めたりせず、広背筋が伸びていることを確認しながら行います。



まとめ


広背筋は、胸椎・腰椎の棘突起、腰背筋膜(胸腰筋膜)、仙骨、腸骨稜、下位肋骨から上腕骨へ付着する、背部の広い範囲を覆う筋です。


主に肩関節の伸展・内転・内旋に働き、上肢を固定した状態では、体幹や骨盤を上肢側へ引き寄せる役割も担います。


一方、柔軟性が低下すると、腕を頭上へ挙げる際に肩関節屈曲が制限され、骨盤前傾や腰椎前弯の増強によって動きを補う場合があります。


運動指導では、肩関節の動きだけでなく、骨盤や腰椎の代償も確認しながら、プルダウンやロウ、プルアップ、ストレッチなどを目的に応じて選択することが大切です。



参考文献


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