ラテラルランジとは?前額面トレーニングの利点と実施方法|フォワードランジとの違いを解説
- 2 日前
- 読了時間: 5分
更新日:2 日前
はじめに
一般的に下肢のエクササイズを選択する際、多く用いられるのはスクワットやデッドリフト、フォワードランジなど、矢状面(前後方向)の動きを中心とした種目です。
これらは筋力やパワーを向上させる上で欠かせないエクササイズですが、実際の動作では、歩行や方向転換、片脚立位、着地など、横方向や回旋方向を含めた3次元的な動作が行われています。
そのため、高いパフォーマンスを発揮し、傷害を予防するためには、矢状面だけでなく、前額面や水平面で身体を安定してコントロールする能力も重要になります。
その中でもラテラルランジ(Lateral Lunge)は、前額面での荷重コントロールや股関節・骨盤の安定性を高めながら、スクワットやランジといった矢状面エクササイズの土台となる機能を養うことができるエクササイズです。
本記事では、ラテラルランジのバイオメカニクス的特徴や利点を整理するとともに、歩行やスポーツ動作、さらには矢状面でのパフォーマンス向上へどのようにつながるのかを、わかりやすく解説します。
なぜ、前額面のトレーニングが必要なのか?
身体の動きは、解剖学・運動学では以下の3つの平面に分類されます[1]。
表1:3つの運動面と代表的なエクササイズ
矢状面 (Sagittal Plane) | スクワット、デッドリフト、フォワードランジ、アームカール、レッグエクステンション、レッグカールなど |
前額面 (Frontal Plane) | ラテラルランジ、サイドランジ、ラテラルバンドウォーク、、サイドレイズ、サイドベントなど |
水平面 (Transverse Plane) | ケーブルウッドチョップ、トランクローテーション、メディシンボール・スロー、ロシアンツイストなど |
一般的にスクワットやデッドリフトのように、前後方向へ動く矢状面のエクササイズがよく用いられています。

しかし、日常生活やスポーツでは、歩く、片脚で立つ、方向を変える、着地するといった動作が繰り返されます。
このような動作を安全かつ効率よく行うためには、前後方向へ力を発揮する筋力だけでなく、左右方向や回旋方向でも身体を安定させ、姿勢や関節の位置を適切にコントロールする能力が重要になります。
特に前額面でのコントロールが不十分になると、膝が内側へ入る(knee in)や骨盤が左右に傾く・ぶれるといった代償動作が生じやすくなります。
そのため、前額面を鍛えることは、下肢機能を高めるうえで重要な役割を担います。
ラテラルランジとフォワードランジは何が違う?下肢機能を高める理由
フォワードランジとラテラルランジは、どちらも下肢を鍛える代表的なエクササイズです。
しかし、踏み出す方向が異なるだけで、身体に求められる筋活動や関節への負荷が変化するため、エクササイズを実施する目的やねらいも大きく異なります。

フォワードランジ(Forward Lunge) | ラテラルランジ(Lateral Lunge) | |
主な動作方向 | 前後方向(矢状面) | 横方向(前額面)+前後方向 |
股関節に求められる役割 | 股関節で前方へ押し出す力が中心 | 股関節で踏ん張る力に加え、骨盤を左右に安定させる能力が必要 |
足関節への負荷・可動性 | 背屈可動域の要求は比較的小さい | より大きな背屈可動域と足関節で荷重を支える能力が求められる |
膝関節に求められる役割 | 前後方向の屈伸動作が中心 | 前後方向の力に加え、膝が内側へぶれないよう側方から安定させる能力が必要 |
フォワードランジは股関節を中心に鍛える股関節優位のエクササイズです。
一方、ラテラルランジは股関節・膝関節・足関節をよりバランスよく使い、特に足関節や膝関節への運動学的・運動力学的な要求が高くなります[3]。
そのため、前後方向だけでなく左右方向の安定性や下肢全体の協調性を高めたい場合に有効なエクササイズと考えられます。
ラテラルランジの実施方法
実施方法
両足を肩幅程度に開いて立ち、背筋を伸ばして胸を軽く張ります。両手は胸の前で組む、または腰に添え、体幹を安定させます。
片脚を大きく横へ踏み出し、踏み出した側の股関節を折りたたむように、膝をゆっくり曲げながらお尻を後方へ引くように重心を移動します。
踏み出した脚で床を押し、開始姿勢まで戻ります。
左右交互、または片側ずつ実施します。
実施上のポイント
股関節から曲げるように動き、お尻を後方へ引く意識を持ちます。
骨盤が左右へ傾きすぎないよう、体幹を安定させます。
踏み出した脚は足裏全体で床を押せるようにします。
痛みがある場合は踏み込む幅や動かす範囲を調整し、無理のない範囲で実施します。
まとめ
一般的に下肢のトレーニングでは、スクワットやデッドリフト、フォワードランジなど、矢状面(前後方向)のエクササイズが中心となります。
しかし、日常生活やスポーツでは、歩行や方向転換、片脚立位、着地など、前後・左右・回旋方向を含めた3次元的な動作です。
そのため、ラテラルランジのような前額面のエクササイズを取り入れることで、足関節・膝関節・股関節をバランスよく使いながら、左右方向の荷重コントロールや下肢全体の協調性を高めることができます。
また、足関節の背屈可動域や荷重支持能力への要求も高く、矢状面のエクササイズだけでは得られにくい刺激を与えられることも特徴です。
スクワットやデッドリフト、フォワードランジに加えてラテラルランジを取り入れることで、多方向への動作能力や下肢機能を高め、より実践的でバランスの取れたトレーニングにつながります。
参考文献
Neumann, D. A. (2012). 筋骨格系のキネシオロジー カラー版(嶋田智明・有馬慶美 訳,第2版). 医歯薬出版.
Hewett TE, Myer GD, Ford KR, Heidt RS Jr, Colosimo AJ, McLean SG, van den Bogert AJ, Paterno MV, Succop P. Biomechanical measures of neuromuscular control and valgus loading of the knee predict anterior cruciate ligament injury risk in female athletes: a prospective study. The American Journal of Sports Medicine. 2005;33(4):492-501.
Powers CM. The influence of abnormal hip mechanics on knee injury: a biomechanical perspective. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2010;40(2):42-51.
Riemann BL, Congleton A, Ward R, Davies GJ. Biomechanical comparison of forward and lateral lunges at varying step lengths. The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness. 2013;53(2):130–138.




コメント