ブルガリアンスクワットで前ももに効いてしまう原因とは?お尻に効かせるフォーム修正3つのポイント
はじめに
ブルガリアンスクワット(Bulgarian Squat)をしていると、「前ももばかり疲れて、お尻に効いている感じがしない」ということがあります。
そんなとき、「お尻の筋力が弱いのでは?」「もっとお尻を意識したほうがいいのでは?」と考えがちですが、まず確認したいのが適切なフォームで実施できているかということです。
動きのポイントになるのは、膝を中心に動いているのか、それとも股関節をしっかり使えているのかという違いです。
特にブルガリアンスクワットでは、身体の使い方によって前ももとお尻への負荷のかかり方は大きく変わってきます。
本記事では、ブルガリアンスクワットで「前ももばかりに効いて、お尻にうまく効かせられない」という現場でよくある問題に対して、フォームのどこを確認し、どのように動きを修正すればよいのか、具体的なポイントをわかりやすく解説します。
ブルガリアンスクワットでお尻に効かせるためのフォーム修正ポイント
ブルガリアンスクワットは、フォームによって前ももとお尻への負荷のかかり方が変わります。
「前ももばかりに効いてしまう」という場合は、単にお尻を意識するのではなく、膝と股関節をどのように使っているかをフォームから確認することが大切です。
ここからは、お尻を使いやすい動きに修正するために、まず確認したいポイントから順番に見ていきます。
ポイント1:まず「前足の位置」を確認する
ブルガリアンスクワットで前ももばかりに効いてしまう場合、まず確認したいのが前足とベンチの距離です。

ブルガリアンスクワットでは、前脚の膝と股関節を曲げて身体を下ろし、そこから膝と股関節を伸ばして身体を持ち上げていくエクササイズです。
このとき、膝関節の伸展に主に働くのが大腿四頭筋、股関節の伸展に主に働くのが大殿筋です。
スプリットスクワットの足幅を変えて比較した研究では、前後の足幅を広くすると膝関節の伸展モーメントが減少し、股関節の伸展モーメントが増加することが報告されています[1]。

つまり、前足の位置を少し遠くすることで、膝よりも股関節を使いやすいフォームにつながると考えられます。
この違いは、実際のフォームを見るとイメージしやすくなります。
支持脚の位置を決める目安として、ベンチに浅く腰掛け、片脚を前に伸ばしたときに踵がつく位置を基準にする方法があります[2]。
まずはこの位置をスタート地点として、実際の動きや身体の使いやすさに合わせて前後に調整してみましょう。
ポイント2:上体を真下にしゃがむ動きになっていないか
前足の位置とあわせて確認したいのが、身体を下ろす方向です。

前ももばかりに効いてしまう人では、上体を起こしたまま、その場で「真下」にしゃがむような動きになっていることがあります。
これでは膝の曲げ伸ばしが大きくなり、股関節を十分に使えない場合があります。
前足がベンチに近い状態で身体を下ろすと、前脚の膝が前方へ移動し、膝の曲がりが大きくなりやすくなります。その状態から身体を持ち上げれば、膝を伸ばす大腿四頭筋への負荷も大きくなります。
一方、前足を少し遠くに置くと股関節を曲げやすくなり、大殿筋を使って股関節を伸ばす動きを引き出しやすくなります。
ポイント3:上半身を少し前に傾ける
ブルガリアンスクワットでは、上半身の角度によっても筋肉への負荷が変わります。
女性アスリート21名を対象とした研究では、上体を起こした状態と40°前傾した状態を比較したところ、前傾したほうが大殿筋と大腿二頭筋の筋活動が高くなることが報告されています[3]。

ここで大切なのは、上半身を前へ突っ込むのではなく、股関節から上体を前傾させることです。
お辞儀をするように股関節を曲げながら上体を少し前に傾け、その姿勢を保ったまま身体を下ろします。こうすることで股関節の曲がりが大きくなり、身体を持ち上げるときに大殿筋やハムストリングスを使いやすくなります。
前傾しても前ももの負荷がゼロになるわけではありませんが、上体を適度に前傾させることで、お尻やハムストリングスをより使いやすくなると押さえておきましょう。
実際のフォームから修正ポイントを見つける
ここまで、お尻に効かせるためのフォームのポイントを紹介してきました。
ただし、「前ももに効く」という同じ悩みでも、その原因は人によって異なります。前足の位置が近い場合もあれば、上体を起こしすぎていたり、股関節をうまく使えていなかったりする場合もあります。
そのため、すべての人に同じ修正をするのではなく、実際のフォームを見ながら「なぜ前ももに負荷が偏っているのか」を考えることが大切です。
以下に、ブルガリアンスクワットでよくみられるフォームと、そこから考えられる要因、修正方法をまとめました。
問題となっている動作のポイント | 考えられる要因 | フォーム修正のヒント |
その場で真下に沈み、前膝が大きく前へ出る | スタンスが短い | 前足を前へ置き直す |
前足の踵が浮く・足首がきつい | スタンスが短く背屈の要求が大きい | スタンスを伸ばす |
上体が最後まで直立している | 股関節の屈曲が小さい | 股関節からの前傾を加える |
前方へ滑る・ぐらつく | スタンスが長すぎる | 前足を少し戻す |
前傾すると腰が丸まる | 股関節で折る動きが未習得(現場での推測) | 前傾角度を浅くし、ヒンジを練習する |
ブルガリアンスクワットの修正エクササイズ:まずは上肢で支えながらフォームを練習する
フォームを修正するときにおすすめなのが、上半身で身体を支えながらブルガリアンスクワットを行う方法です。

ブルガリアンスクワットは片脚で身体を支えるため、筋力だけでなくバランス能力も必要になります。
バランスを取ることに意識が向きすぎると、前足の位置や上体の前傾を意識していても、うまく股関節を使えないことがあります。
そこで、動画ではラックの支柱に両手を添え、身体を支えながら行う方法を紹介します。
両手で支えることで身体が安定し、バランスを取ることよりも股関節から身体を動かすことに集中しやすくなります。
その状態で、股関節から上体を少し前傾させながら身体を下ろし、股関節を伸ばして身体を持ち上げます。必要に応じて手でも軽くサポートしながら、お尻に負荷がかかる位置や動き方を確認してみましょう。
大切なのは、最初から負荷をかけることではなく、「この動きならお尻を使いやすい」という感覚とフォームを身につけることです。
動きが安定してきたら、両手で支える → 支えなしの自重 → ウェイトを持つという順番で少しずつ難易度を上げていきます。
前ももばかりに効いてしまう場合は、重量を増やす前に、まずは身体を支えた状態でフォームを確認するところから始めてみましょう。
まとめ
ブルガリアンスクワットで前ももばかりに効く場合は、まず前足の位置や上半身の角度を確認してみましょう。
前足を少し前に置き、股関節から上体を前傾させることで、お尻やハムストリングスを使いやすくなります。
うまくフォームを作れない場合は、両手で身体を支えながら練習するのもおすすめです。
まずは安定した状態で正しい動きを身につけ、慣れてきたら自重、ウェイトへと段階的に進めていきましょう。
参考文献
Song, Q., Ma, M., Liu, H., Wei, X., & Chen, X. (2023). Effects of step lengths on biomechanical characteristics of lower extremity during split squat movement. Frontiers in Bioengineering and Biotechnology, 11, Article 1277493.
Aygun-Polat, E., Guzel, N. A., Guruhan, S., Polat, Y., & Karatas, N. (2025). Targeted muscle activation in Bulgarian split squat variations: Effects of trunk position and suspension-based execution. BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation, 17, Article 251.





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