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パーソナルトレーニング・セミパーソナル・グループレッスンの違いとは?特徴・メリット・運営面を比較

  • 7月30日
  • 読了時間: 8分

更新日:7月30日


はじめに


「パーソナルトレーニングとグループレッスン、結局どちらが効果的なんですか?」


トレーナーやセラピストであれば、一度はこのテーマについて考えたことがあるのではないでしょうか。


当然、マンツーマンで指導するパーソナルトレーニングの方が効果が高いに決まっている。


そう考えている方も多いかもしれません。


しかし、2026年に公開された最新の大規模研究では、パーソナルトレーニングとグループレッスンの健康効果に大きな差がないことが明らかになっています[1]。


重要なのは「どちらが優れているか」ではなく、「誰に、どの場面で、どのような指導形態を選択するか」です。


本記事では、パーソナルトレーニング、セミパーソナルトレーニング(少人数制)、グループレッスンの特徴やメリット・デメリットを整理し、それぞれに適した活用法を最新のエビデンスをもとに解説します。


**代替テキスト(Altテキスト)**

パーソナルトレーニング、セミパーソナルトレーニング、グループレッスンの違いを示した比較イラスト。左から「1対1(マンツーマン)」「少人数(1〜4名)」「複数(5名以上)」の指導形態を、それぞれトレーナーと利用者のイラストで表現している。


1.パーソナルトレーニングの特徴と利点


パーソナルトレーニングの最大の利点は、対象者一人ひとりに合わせた、きめ細かなサポートを提供できることです。


**代替テキスト(Altテキスト)**

パーソナルトレーニングの特徴を説明するイラスト。「パーソナルトレーニングは一人ひとりに合わせた質の高い運動指導を提供することができる」という説明文とともに、トレーナーが利用者へバーベルのフォーム指導を行う様子が描かれている。

運動指導では、適切な運動処方だけでなく、「運動を続けられるかどうか」も重要な課題になります。


その点、パーソナルトレーニングでは、指導者が対象者の身体機能や目標だけでなく、身体機能や目標だけでなく、その日の体調や心理状態も確認しながら関わることができます。


実際、ブラジルで一般成人588名を対象に行われた研究では、パーソナルトレーニング利用者は、一般的なフィットネスジム利用者と比較して、指導者から十分なサポートを受けていると感じやすく、指導者との信頼関係も高いことが報告されています[2]。


これは、パーソナルトレーニングでは指導者が密接にモニタリングしながら、その人に合わせた声かけやフィードバックを行えるためだと考えられます。



パーソナル・トレーニングにおける運営面の課題


運営面では、パーソナルトレーニングは個別性の高いサービスであるため、専門性や提供価値を価格に反映しやすいという利点があります。


また、一人ひとりの目標や身体の状態、進捗に合わせて継続的にサポートできるため、質の高いサービスを提供しやすいことも特徴です。


一方で、1回のセッションで指導できるのは基本的に1名のみであるため、指導者1人あたりが提供できるサービス量には限りがあり、売上の上限も構造的に決まってしまいます。


また、サービスの質が指導者の技量や対象者との相性に左右されやすく、人気のある指導者に予約が集中することも少なくありません。


その結果、人員配置や予約管理が複雑になり、事業を拡大する際に、指導者の人数に応じてしかサービスを増やせないという課題があります。


2. セミパーソナル(少人数制)の特徴と利点


「セミパーソナルトレーニング」を対象とした査読付き研究は、現時点ではほとんどありません。


そのため、本記事では指導者1名が少人数を指導する形態を対象とした研究をもとに、セミパーソナルトレーニングの特徴について考察します。


2025年の研究では、指導者1名が1〜4名を担当する監督下トレーニング群、アプリによる遠隔指導群、自己管理群を10週間比較しました。


その結果、運動継続率(アドヒアランス)は監督下トレーニング群が最も高く(88.2%)、アプリ指導群(81.2%)、自己管理群(52.2%)を上回りました。また、体重や除脂肪量の有意な改善が認められたのは、監督下トレーニング群のみでした[3]。


この結果からは、1対1という形式そのものよりも、指導者から継続的な監督やフィードバックを受けられる環境の方が、運動の継続や成果に重要な役割を果たしている可能性が示唆されます。


セミパーソナルトレーニングの特徴を説明するイラスト。「セミパーソナルトレーニングは個別性を維持しながらも、効率的な運動指導を提供できる」という説明文とともに、2名の利用者が同じエクササイズを行う様子が描かれている。

つまり、セミパーソナルトレーニングは、マンツーマンほど細かな対応は難しいものの、一人で運動するよりも継続的な指導やフィードバックを受けられることが特徴です。



セミパーソナルトレーニングにおける運営面の課題


運営面では、セミパーソナルトレーニングは1セッションで複数名を指導できるため、限られた時間でより多くの売上を生み出しやすいという利点があります。


一方で、一人ひとりの状態に合わせて負荷や種目を調整する必要があるため、指導者にはグループ全体を見ながら個々にも目を配る指導スキルが求められます。


また、人数が増えるほど個別対応は難しくなるため、何名までをセミパーソナルトレーニングとするかは、サービスの質を維持するうえで重要な設計ポイントとなります。


3. グループレッスンの特徴と利点


グループレッスンの最大の特徴は、参加者同士が刺激を受け合いながら運動を継続しやすい環境をつくれることです。


地域在住高齢者を対象とした10件の研究を統合したシステマティックレビューでは、グループ運動プログラムの平均アドヒアランス(運動継続率)は69.1%でした。


また、社会的なつながりや参加者の主体性が、運動を継続するうえで重要な要因であることが示されています[4]。


グループレッスンの特徴を説明するイラスト。「グループレッスンは参加者同士が刺激し合い、継続しやすい運動環境を提供できる」という説明文とともに、3名の参加者が同じエクササイズを行っている様子が描かれている。

さらに、2026年に発表された最新のメタアナリシスでは、身体活動量については個別指導とグループ指導で統計学的な差は認められませんでした。


一方で、筋力やバランスなどの機能面では、グループ指導がわずかに優れる可能性が示されました[1]。


研究者らは、その理由として、他の参加者の動きを見て学び、その場で指導を受けながら運動できる環境が、機能向上につながった可能性を考察しています[1]。


つまり、グループレッスンは、参加者同士が刺激し合いながら、運動の継続や機能向上を促しやすいことが特徴と考えられます。


グループレッスンにおける運営面の課題


運営面では、グループレッスンは1名の指導者が多数の参加者を同時に指導できるため、限られた時間でより多くの売上を生み出しやすいという利点があります。


また、前述のように社会的なつながりが運動の継続を支えることから、長期的な継続率にも強みが期待できます。


一方で、一人ひとりの身体機能や体力レベルに合わせた個別対応は難しくなります。


また、参加者のレベル差が大きい場合には満足度が低下しやすく、継続的に参加してもらうためには、プログラム内容やクラス全体の雰囲気などを工夫することが重要になります。


さらに、グループレッスンは一般的に参加しやすい価格帯で提供されることが多いため、収益を安定させるには一定数以上の参加者を継続的に集客する仕組みづくりが必要となります。



パーソナルトレーニング・セミパーソナル・グループレッスンを現場でどう使い分けるか?


ここまでの内容を踏まえると、パーソナルトレーニング、セミパーソナルトレーニング、グループレッスンは、「どれが最も優れているか」を比較するものではなく、それぞれに異なる特徴と強みがあります。


パーソナルトレーニング、セミパーソナルトレーニング、グループレッスンの位置づけを比較した概念図。パーソナルトレーニングは「個別指導」、セミパーソナルトレーニングは「バランス型」、グループレッスンは「集団指導」として、個別性から集団性への連続性を矢印で示している。

項目

パーソナルトレーニング

セミパーソナル

グループレッスン

特徴

一人ひとりに合わせた個別指導

少人数で個別性と運営効率を両立

参加者同士が刺激し合う集団指導

利点

身体機能や心理状態に合わせた細かなサポートができ、信頼関係を築きやすい

専門家による継続的なフィードバックを受けられ、一人で行うより継続しやすい

社会的なつながりにより運動を継続しやすく、機能向上も期待できる

運営面のメリット

高単価・高付加価値のサービスを提供しやすい

限られた時間でより多くの売上を生み出しやすい

最も効率よく売上を生み出しやすく、継続率も高めやすい

運営面の課題

売上が指導者数に依存し、事業拡大しにくい

個別対応と運営効率のバランス設計が必要

個別対応が難しく、集客やプログラム設計・クラス運営が重要


パーソナルトレーニングは、一人ひとりに合わせた細かなサポートや心理的な支援を提供しやすく、運動を始めたばかりの方や個別性の高い対応が必要な方に適しています。


一方、グループレッスンは参加者同士のつながりや相互作用によって運動を継続しやすく、筋力やバランスなどの機能面でも一定のメリットが期待できます。


セミパーソナルトレーニングは、その中間に位置し、継続的なフィードバックを受けながら、個別性と運営効率を両立できる可能性があります。


また、運営面では、「個別対応の質」と「生産性」はトレードオフの関係にあります。


パーソナルトレーニングは質を高めやすい一方で提供人数に限界があり、グループレッスンは効率的に運営できる一方で個別対応は難しくなります。


セミパーソナルトレーニングは、この両者のバランスを取りやすい形態ですが、何名までが適切なのかについては、現時点で明確なエビデンスは存在しません。


対象者の身体機能や目標に応じて、最適な指導形態を選択することが重要です。


まとめ


それぞれの指導形態には、特徴や利点、運営面での課題があります。


だからこそ、対象者の特性やニーズだけでなく、運営環境やサービスの仕組みも踏まえながら、最適な方法を選択することが重要です。


本記事が、運動を継続しやすい環境づくりと、より多くの人に健康を届ける仕組みを考えるきっかけになれば幸いです。



参考文献


  1. Kritz, M., Riddell, H., Olsen, D., Harden, S. M., Burke, S. M., Ntoumanis, N., & Thøgersen-Ntoumani, C. (2026). Individual versus group-based interventions: A systematic review and meta-analysis of physical activity, functional, psychosocial and health outcomes. Nature Human Behaviour, 10, 1109–1121.

  2. Klain, I. P., de Matos, D. G., Leitão, J. C., Cid, L., & Moutão, J. (2015). Self-determination and physical exercise adherence in the contexts of fitness academies and personal training. Journal of Human Kinetics, 46, 241–249.

  3. Gavanda S, Held S, Schrey S, Oberwetter K, Lazzaro PM, Pergelt M, Geisler S. Optimizing Resistance Training Outcomes: Comparing In-Person Supervision, Online Coaching, and Self-Guided Approaches: A Randomized Controlled Trial. J Strength Cond Res. 2025 Nov 1;39(11):1129-1137.

  4. Farrance, C., Tsofliou, F., & Clark, C. (2016). Adherence to community based group exercise interventions for older people: A mixed-methods systematic review. Preventive Medicine, 87, 155–166.

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