FIFA 11+とは?サッカーの傷害予防に役立つウォーミングアッププログラムの効果と活用法
- 20 時間前
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はじめに
スポーツ現場では、下肢のケガはパフォーマンスの低下だけでなく、選手の競技継続にも大きな影響を与える重要な課題です。
特にサッカー競技においては、急な方向転換や減速、ジャンプ・着地動作を繰り返す競技では、膝や足関節の外傷・障害が多く発生しています。
こうした傷害を予防するために、国際サッカー連盟(FIFA)の医学評価研究センター(F-MARC)が開発したのが、神経筋機能の向上を目的としたウォーミングアッププログラムFIFA 11+です[1]。

シンプルで実践しやすい構成でありながら、多くの研究で傷害予防効果が報告されており、世界中のスポーツ現場で活用されています。
本記事では本記事では、FIFA 11+を初めて知る方にも理解しやすいように、その目的や理論的背景、プログラムの内容、科学的根拠について分かりやすく解説します。
FIFA 11+とは?開発された背景と傷害予防の考え方
一方、足関節捻挫は相手との接触や着地環境の影響を受けることも多く、受傷メカニズムが異なる点が特徴です[4]。

急激な減速(デセレーション)時における、骨盤から下肢のアライメントの崩れ
カッティング(方向転換)動作時における、体幹の側方傾斜
ジャンプ着地時における、膝関節の外反(ニーイン:Knee-in)および足関節の内がえし(内反)
これらの問題は単なる筋力不足だけで説明できるものではなく、身体を適切に制御するための「神経筋コントロール」の低下や遅れによって、不適切な動作パターンが生じることが大きな要因と考えられています。
FIFA 11+のプログラムの内容
プログラムは計15種類のエクササイズを3パートに分けて構成し、合計約20分、追加器具を必要としない設計です[5]。
※各Partをクリックすると動画(youtube)に移動します。
Part2の各エクササイズには初級・中級・上級の3段階が設定されており、正しいフォームで実施できることを確認しながら段階的にレベルアップしていきます。
FIFA 11+は既存のウォーミングアップに追加して行うプログラムではなく、チームや選手が普段行っているウォーミングアップの代わりとして実施することを前提に設計されています。

なお、FIFA 11+は、日本サッカー協会(JFA)でも傷害予防プログラムとして紹介されており、プログラムの内容や実施方法をまとめた日本語版資料を無料でダウンロードすることができます[6]。
FIFA 11+の傷害予防効果とエビデンス
これまでの研究では、FIFA 11+を継続して実施することで、前十字靭帯(ACL)損傷やハムストリング肉離れなどの傷害リスクを減らせることが報告されています。特に週2回以上実施した選手では、傷害の発生率が40〜50%程度低下したという研究結果もあります[1]。

このように、FIFA 11+は単なるウォーミングアップではなく、ケガを予防しながら安全な動きを身につけるための科学的根拠に基づいたプログラムと言えます。
ポジションや年齢別のFIFA 11+プログラムもある
FIFA 11+には、年齢やポジションの特性に合わせて開発された専用プログラムもあります。

FIFA 11+を効果的に活用するためのポイント
FIFA 11+は、多くの研究で傷害予防効果が示されているプログラムですが、その効果はプログラムそのものではなく、「継続して正しく実施すること」によって得られるものです。
実際に研究では実施頻度や遵守率(コンプライアンス)が高いチームほど、傷害発生率が低いことが報告されています。
そのため、単発のトレーニングとして取り入れるのではなく、日々のウォーミングアップとして習慣化することが重要です。(週2回以上を推奨)
単なるエクササイズの実施ではなく、正しい動作パターンの獲得を目的としています。そのため、回数よりも動作の質を評価しながら実施することが重要です。
また、FIFA 11+はケガをしていない選手の傷害予防を目的として開発されたプログラムです。
術後や受傷後のリハビリテーションを目的としたものではないため、リハビリ場面では筋力や機能評価、競技特性を踏まえた段階的な復帰プログラムと組み合わせて活用する必要があります。
まとめ
FIFA 11+は、下肢傷害の予防を目的として開発されたウォーミングアッププログラムであり、多くの研究でその有効性が報告されています。
しかし、重要なのはプログラムを実施すること自体ではなく、正しい動作を意識しながら継続的に習慣化することです。
また、FIFA 11+はケガをしていない選手を対象とした一次予防プログラムであり、術後や受傷後のリハビリテーションや競技復帰を目的としたプログラムではない点も理解しておく必要があります。
参考文献
Chia, L., De Oliveira Silva, D., Whalan, M., et al. (2022). Non-contact anterior cruciate ligament injury epidemiology in team-ball sports: A systematic review with meta-analysis by sex, age, sport, participation level, and exposure type. Sports Medicine, 52(10), 2447–2467.
公益財団法人日本サッカー協会. 11+ 日本語版. JFAメディカルインフォメーション. Available from: 日本サッカー協会 11+ 日本語版 (閲覧日:2026年6月22日)





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